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住宅購入時に掛かる諸費用の内訳【わかりやすく解説】

2022年2月19日edoken

家作り


住宅購入する時には建物と土地の費用だけでなく、他にも様々な費用が掛かります。購入時に掛かかる諸費用以外にも、住宅ローンを申し込む時にかかる諸費用、住み始めてからかかる費用などと様々です。

その費用全部を1つの記事で紹介すると情報量が多すぎてしまうので、今回は購入時(ローンの申請に掛かる費用は抜く)に掛かる諸費用に絞って解説します。

    目次
    ❶諸費用とは
    ❷住宅購入時に掛かる諸費用
    -①手付金
    -②印紙税
    -③仲介手数料
    -④不動産取得税
    -⑤固定資産税、都市計画税
    -⑥登記費用
    -⑦頭金

❶諸費用とは


諸費用とは、建物と土地の代金以外に掛かる費用のことをまとめて諸費用と言います。

諸費用の目安はだいたい、購入価格の5~10%と言われています。3000万円の住宅であれば、150~300万円程が別でかかるということになります。

❷住宅購入時に掛かる諸費用7つ

住宅購入時にかかる諸費用は下記のとおりです

    ・手付金
    ・印紙税
    ・仲介手数料
    ・不動産取得税
    ・固定資産税、都市計画税
    ・登記費用
    ・頭金

順に解説します。

①手付金

手付金とは、住宅購入の売買契約をするタイミングで、買主から売主へ支払うお金のことです。物件価格の5~10%が相場です。

購入契約にともなって手付金を支払うことで、売り手と買い手双方の意思表示に信頼性を持たせる決まりとなっています。

手付金は売買契約が成立した証拠金であると同時に、キャンセル時の負担金でもあります。

もし買主の都合で契約をキャンセルする場合、手付金は帰ってきません。逆に売主の都合で契約をキャンセルする場合は、手付金の倍額が返金されます。

契約の成立を担保することが目的なので、決済・引き渡しのタイミングで購入代金に充てられることが一般的です。たとえば3000万円の物件を購入する時、100万円の手付金を支払った場合、100万円が充てられ残りの2,900万円を住宅ローンで決済するという形です。

②印紙税

印紙代は、契約書や領収書など商取引に係る書類1通毎に対して課される税金です。

住宅購入で印紙代が必要な書類は、「不動産売買契約書」と「建築工事請負契約書」です。

印紙代の費用は契約の種類や、購入した住宅の金額によって変わります。取引金額ごとに細かく印紙代が決められていますが、新築一戸建てを購入する場合、だいたい2~6万円くらい掛かります。

    ・1千万円を超え5千万円以下:1万円
    ・5千万円を超え1億円以下 :6万円
    ・1億円を超え5億円以下  :10万円

③仲介手数料

仲介手数料とは、不動産会社に売買の仲介を依頼して売主と買主の契約が成立したときに不動産会社支払う成功報酬のことです。

売り出されている物件が、不動産会社の社有物件であれば物件情報に「売主」と表記がされ、仲介手数料はかかりません。

手数料が高額になることを防ぐために、仲介手数料は「宅地建物取引業法」という法律によって、下記のように金額毎に上限が決められています。

    ・200万円以下の場合:取引額の5%以内
    ・200万円以上400万円以下:取引額の4%以内
    ・400万円以上:取引額の3%以内

仲介手数料を簡単に出すための計算式があり、下記に当てはめて計算します。

(売買価格×3%+6万円)×消費税=仲介手数料

例えば3000万円の物件の場合、3000万×3%+6万円×10%(消費税)=105万6千円が仲介手数料になります。

④不動産取得税

不動産(土地・戸建・マンション)を売買や贈与で取得した場合や、新築や増築したときに不動産取得税という税金がかかります。

不動産取得税は、不動産の価値によって税額が変わります。取引金額で計算する訳ではなく、固定資産税評価額で計算します。

固定資産税評価額とは、固定資産税の基準となる評価額のことです。評価額は各市区町村(東京都23区の場合は都)が決めています。評価額は建物でだいたい、取引金額の60~70%土地50~70%くらいです。

    不動産取得税の計算式
    建物の税額 = 固定資産税評価額 × 3%(本来は4%)
    土地の税額 = 固定資産税評価額 × 1/2 × 3%(本来は4%)

建物における不動産取得税は、2024(令和6)年3月31日までに「住宅」として取得した建物に対しては、3%(本来は4%)の軽減税率が適用されます。

土地における不動産取得税は、2024(令和6年)年3月31日までに取得したものについては、評価額を2分の1に減額し、さらに税率を3%(本来は4%)とする軽減措置が取られています。

この他にも不動産取得税には軽減措置があります。

不動産取得税の軽減措置

不動産取得税の軽減措置は建物と、土地とで分かれています。

建物に対する軽減措置

  • ・条件:一戸の床面積が50㎡以上240㎡以下の建物

  • ・軽減される額:住宅の価格から一戸につき、1200万円が控除される(長期優良住宅の場合は1300万円)

  • ・控除後の税額の計算式:(固定資産税評価額-控除額(1200万))×3%=不動産取得税

固定資産税評価額は1200万円以下であれば、「固定資産税評価額-控除額」の時点で0になるので、不動産取得税は0ということになります。

1200万円を超える場合は、その超過分に対して課税されます。

土地に対する軽減措置

土地に対する軽減措置は少し複雑です。順に解説します。

土地に対する軽減措置の適用条件

・新築住宅で、建物の不動産取得税軽減要件を満たしていること
・下記の内のいずれかに該当すること

  • 1. 土地を取得してから3年以内にその土地上に住宅を新築すること。かつ住宅が新築されるまで、その土地を継続して所有していること

  • 2. 住宅の新築前に先行して取得した土地を譲渡した場合、土地取得から3年以内に譲渡相手がその土地の上に住宅を新築していること

  • 3. 住宅を新築後から1年以内に、その住宅を新築した人がその住宅の敷地(土地)を取得していること(土地を借りていた場合などに起こる事例です)

軽減措置内容

土地に対する不動産取得税の計算式は下記の通りです。

    ((土地の固定資産税評価額×1/2)×3%)-軽減額

ポイントは軽減額を最後に差し引くという点と、評価額に2分の1の控除率を乗じるという点です。ただ、この控除率の適用には「2024(令和6)年3月31日までに取得した建物」という時期制限があるので注意してください。

軽減額は下記2つの内、高い方の金額が適用されます。

    1. 4万5千円
    2.(土地1㎡あたりの固定資産税評価額×1/2)×住宅の課税床面積の2倍(200㎡までが限度)×3%

不動産取得税をシュミレーション計算しました

    不動産の条件
    ・建物の延べ床面積:120m²
    ・建物部分の固定資産税評価額:1,000万円(取引金額2000万円)
    ・土地部分の固定資産税評価額:1500万円(取引金額2500万円)
    ・土地の面積:180m²

まずは建物に対する取得税の計算から

    建物に対する不動産取得税=1000万-1200万×3%=0円

土地の不動産所得税の計算式は「((土地の固定資産税評価額×1/2)×3%)-軽減額」なので、まずは軽減額から計算する必要があります。

軽減額は「(土地1㎡あたりの固定資産税評価額×1/2)×住宅の課税床面積の2倍(200㎡までが限度)×3%」で計算するので、土地1㎡あたりの固定資産税評価額を出していきます。この計算でも軽減措置の2分の1を評価額に乗せます。

    土地1㎡あたりの固定資産税評価額= 1500万×1/2÷土地面積180㎡=約4万2千円

控除額の計算式は「(土地1㎡あたりの固定資産税評価額× 1/2)×住宅の課税床面積の2倍(200㎡までが限度)×3%」でした。この計算式に数字を当てはめると

  • 控除額=4万2千円×200(120×2は200を超えるのでここでは200で計算)×3%=25万2千円

  • 土地の所得税の計算式は「((土地の固定資産税評価額×1/2)×3%)-軽減額」なので、土地の不動産所得税=((1500万×1/2)×3%)-25万2千=0円

土地と建物合計の不動産取得税=0円+0円=0円ということになります。

この軽減措置を受けられるのは、一戸の床面積が50㎡以上240㎡以下の建物になります。だれでも受けれる訳ではないことに注意しましょう。

⑤固定資産税、都市計画税

固定資産税と都市計画税は住み始めてから毎年支払う税金ですが、住宅購入時にもかかります。

掛かる費用は「買った日から年末までの日数」を計算した金額です。

この2つの税金は1月1日時点での所有者に納税通知が来ます。なので買った年の分の通知は、売主に届きます。

その為、「1月1日から土地が売れた前日までの費用は売主が、買った日から年末までの費用を買主が負担する」ことになります。

⑥登記費用

住宅を購入した際、所有権を証明するために不動産の登記を行う必要があります。その際に必要になるのが登記費用です。

登記費用は大きく2つに分けられます。登記をする際に掛かる登録免許税と、登記を司法書士に代行してもらう報酬手数料の2つです。

司法書士の報酬手数料や登録免許税で掛かる金額は、登記の種類や、固定資産税評価額、ローンの借入額によって変わってきます。

不動産登記は建物と土地それぞれ登記する必要があり、登記の内容は「表題登記」と「権利登記」に分かれます。

表題部の登記は土地家屋調査士という専門の方が、権利部の登記は司法書士の先生が登記することになっています。

登記費用について詳しく書いた記事を今後用意する予定なので、そちらもよければご覧ください。

⑦頭金

不動産購入における頭金は、「住宅ローンを利用して家を購入する際に、はじめに自己資金から現金で支払うお金」のことを指します。

最近では頭金なしでも家を購入できるようになってきているので、必ず必須という訳ではありません。

ただ頭金を出しておくと、ローンの支払いで掛かる利息も抑えられますし、借入できるローンの金額も変わってくるので用意することをオススメします。

購入価格の20%ぐらいを用意しておくのが、理想的と言われています。

まとめ

    ・手付金
    ・印紙税
    ・仲介手数料
    ・不動産取得税
    ・固定資産税、都市計画税
    ・登記費用
    ・頭金

住宅購入時に掛かる費用は上記の通りです。これに別の記事で解説する「ローン申請時に掛かる費用」を足せば、住宅購入時に掛かる諸費用は網羅できると思います。(ローン申請の記事は準備中です)

調べて頂いた方はお分かりいただけたかと思いますが、土地代と建物代以外にも掛かる費用は多いです。

家を購入した後にはローンの支払い以外に、固定資産税や都市計画税もかかってきますし、それらの費用を想定しておかないと、購入の生活が苦しくなってしまいます。

ですので購入前にかかる費用を計算して、シュミレーションすることが大事です。

家の購入に掛かる費用を調べるのは、説明が分かりずらかったり、分からない用語が多く使われていたりしますが、家作りで失敗しない為にもしっかり勉強するようにしましょう。

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